Fediverse観2023 前編:新世界で暮らした今年を振り返る

テクノロジー

この記事は、Fediverse Advent Calendar 2023の4日目の記事です。

2023年2月7日、この星に新しいMastodonサーバーおよび新しいユーザーが誕生しました。

サーバーの名前は……えっと、なんだろう?
Poketedonとか我がトドンとか弊トドンとか色々呼んでて、よく分からないや。

そんなわけで、自分専用のMastodonサーバー(いわゆる、おひとりさまインスタンス)を立ててから
10か月ぐらい経過しました。

それ以外にもプロフィールにあるとおり、Mastodonではイカトドン、Misskeyではいかすきーをはじめとした
複数サーバーにお邪魔しています。

せっかくアドベントカレンダーに参加できたことですし、ここ10か月を過ごした感想をまとめてみようかと。

2月より前

2017年ごろ、第1次Fediverseブームがありました。
Mastodon自体が生まれたのが2016年とのことで、そこから1~2年後、日本国内でも一瞬ブームになりました。

2017年4月15日、当時はPixiv社運営だったPawooにアカウントを作成
これが私にとって最初の一歩でした。

たしか当時もTwitterをとりまく環境変化があってのことだったと思いますが…
とはいえ、住民の総移動が起きるわけでもなく、ブームは自然鎮火。
私もPawooは放置することになりました。

Pawooやmstdn.jp(現在はこの2つは同一管理人が運営)をはじめとする古株サーバーは
2017年ごろに設立されたものが多いですね。
私が参加している中ではイカトドンも2017年4月15日(あれ?自分がPawooしはじめた日と同じ…?)に
開設されています。

Pawoo、jpの運営会社が変わったように
またその2サーバーとともに、国内3大サーバーとして君臨していた
friends.nico(ドワンゴがニコニコ関連サービスとして運営)が運営終了したように
世間的にもあまり受け入れられなかったと認識しています。
今まで続いてるイカトドン。すげえ。(鯖管さんありがとう!)

1月

年明け早々から、イーロンマスクは動きました。

開発者向けの利用規約がしれっと変わり、サードパーティクライアントは原則禁止になりました。
しれっと、ね。

Twitter、「開発者契約」を密かに改定し、公式にサードパーティアプリを禁止
Twitterは開発者利用規約を改定し、サードパーティアプリを公式に禁止した。開発者に対する規約改定の告知はなかった。

普通こういうことをする場合は事前通知するというのが、デジタルサービスでの常識なのですが…
おそらく車やロケットといったリアルメカニックにしか明るくなかったおじさんは、
デジタルの常識を知らなかったのだと思います。
じゃあ買収すな。

ということで、愛用するアプリが続々と開発停止に。

10年ほど前は自分用クライアントを作っていた時期もあるくらいには
サードパーティクライアントに親しみを持っている私。
たいへん衝撃的でした。

公式UIが使いにくいからサードパーティを使ってるのに、公式UIに無理やり戻されるぐらいなら…
と思い、新たな住処計画を考え始めた時期でした。

2月

さらに動いたのは2月。

Twitter API有料化の一報が入ったことによります。

結局現在(書いているのは2023-11-24)に至るまで無料プランは廃止されていませんが…
当時は早急に廃止する勢いだったと認識しています。

とにかく早く出ないと…という恐怖が生まれました。

厳密に言うと、長年ライフログ代わりになっていたTwilogが、
いつ止まってしまうかという恐怖が大きかったです。

ということで極力早急に移住先を見つけないといけない……と探していました。

そこでPawooを復活させ…
Pawooは運営会社が変わってる……!?!?

ということで、ここで新たに参入したのがイカトドン。

先ほどからチラチラ出ている、第1次Mastodonブーム時から現在に至るまで続いている、
Splatoon特化型Mastodonです。

第1次Mastodonブームの頃は若かったものの、現在は結婚し子供が産まれ…というユーザーも結構おり、
ゲーム特化型にしては・あのSplatoon界隈にしては全体的に年齢層が高めという特殊コミュニティだったので
だいぶ居心地よく過ごしていました。(サブアカとして今後も使います)

なお.ioも与謝野晶子をレターパックで送るサーバーとして君臨していましたが、
当時Misskeyには恐怖感を持っていたため、まだMisskeyサーバーにはアカウントを作らず。
イカトドンと比べるとどうしても、悪い意味で年齢層が若いな…と思っていました。
なお、それは今も思っています。

しかし、メインアカウントはどうしようか…で盛大に迷いました。

イカトドンは、いうてSplatoon特化型なので、いろんな話をするのは悪すぎる。
総合的な話題を取り扱うサーバーがいいなあ、と。

ただその上で、イーロンが信用できないのであれば、どこの管理人も信用できないだろう、と。

自分でサーバーを立てて自分の責任下で管理するもの以外、メインアカウントを置く場所は無いだろう、と。

そして立ち上がりました。

VPSが。

我がトドンが。

コスト面から破産しそうなら辞めるかも、という条件付き試運転でしたが、
コスト面は個人的に満足いく水準で推移しているため、とりあえず使い続けています。

ちなみに破産したらFedibirdあたりに集約するつもりでした。

4月

Twilogが本当に死んでしまいました。

とにかくショックでした。
日記をつけない私が、唯一日記のように過去のツイートを遡れるサービスが無くなりました。
もうライフログをTwitterに預けることはできない…と思い、
これ以降しばらくはTwitterには顔を出さなくなりました。

※その後5月12日にTogetterへサービス移管、現在はTwilogサービスが復活しています。

Mastodonなら安心かというと…
notestockというサービスに既に出会っていたので、そちらでログを残しています

自分が現在もTwitter/Xを信頼できていないのは、この出来事が大きかったと推察しています。


4月はもうひとつ。いかすきーが立ち上がりました。
Splatoon特化型Misskeyです。
現在、特定のゲームシリーズを主軸にしたMisskeyインスタンスとしては、アイマス系に次ぐ一大勢力の模様。

イカトドンのいちユーザーであった方が、思いつき(なのかどうかは分からないけど)で
Misskeyサーバーを立ち上げられました。

当時Misskeyというものに「怖い」イメージを持っていたので寄り付いてなかったのですが、
せっかくだし、サーバー設立直後ならマシだろうし…という考えで安易に参加
設立当日にアカウントを作った人、いわゆる「こさんすきー」として現在も運用中です。

設立直後だしということで暴れた結果、独自な文化を一瞬芽生えさせた自覚はあります。

7月

現時点では、これがイーロンマスク最大の暴挙。

日本時間7月1日深夜(なので実質7月2日)、既存無料ユーザーは1日600ポストしか
読めなくなる制限がかかりました。
急に発表された話(しかも事後)で、寝耳に水でした。

Twitterに厳しい一時制限 未認証アカの閲覧件数は「1日600件まで」── 「Twitter終わり」「API規制」トレンドに【更新:1日1000件に緩和】
Twitterの投稿が読み込めないと、日本時間の7月1日午後11時ごろから話題になっている。これにより「Twitter終わり」や「API規制」といった単語がTwitterの日本トレンドに入った。Twitterを運営する米Xのイーロン・マスク...

その後段階的に制限が緩和され、現在は……結局いくつなんでしょうね?
今も制限がかかっているのかどうかがちょっと不明瞭ですが。

いずれにせよ、Xというプラットフォームに対する国際社会からの信頼が、決定的に崩れた日でした。
NHKでも大々的に取り上げられましたね。

Fediverse界にとっても、激震が走った日でした。
なにせ「Xに対して失望した人」が過去に例を見ないぐらい大量発生した日であり、
「こっちが安住の地かもしれない」とFediverseに飛び込む人が大量発生した日でした。

あまりのユーザー数激増にMisskey.ioがほぼ壊滅したのも記憶に新しい。
あの日以降Misskeyは負荷対策に精を出すよう、開発の方向が変わったように見えます。
従来の仕組みは、確かに外野エンジニアとして見てても、高負荷に耐えられなさそうなアーキテクチャだったなあ…。

私が拠点を置いていたいかすきーも、ioほどではないにせよ、
それまでのユーザー数の数十倍の人間がなだれ込んできました。

7月1日は土曜日。事件が起きたのは土曜日から日曜日にかけて。
Splatoon3では第2回バイトチームコンテストが開催されている最中でした。
2日目はバチコンどころじゃありませんでした。
あの日、寝て起きたらソーシャルタイムラインの様子が明らかにおかしくて、目を疑いました。

となると問題になるのが治安維持。
急激に人数が増えると、治安が劇的に悪化しました。
「こんなのは自分が過ごしたい環境じゃない」と飛び出していった古参勢も結構いるくらいには。

Misskeyというものを知らないまま飛び込んできた人…
寝ていたら天災があったので着の身着のままやってきた人みたいな(実際その通りなんですが)
そんな人が数千人単位でいたので、必死に交通整理をしていました。
あの日は今でも記憶に残っています…。

そんなこんなで、翌7月3日(月)、畏れ多くもモデレーターを拝命し、現在に至ります。
鯖管の「モデレーターが欲しい」発言以降、誰が務めるかの議論は、当時いた古株勢の全会一致で
トントン拍子で決まっていった記憶があります。
唯一抵抗してたのが自分だったような。
こんなのがモデレーターしてて、すみません。

9月

Misskey慣れもしてきたのと、
自分でMastodonは運営してるけど、Misskeyサーバーは持ってなくね?ってことで、
こっそりMisskeyサーバーを立てました。

全部で2つ。

1つは仲間内に間貸ししているタイプで、もう1つはおひとりさまみすきーです。
もう1つのほうは活用に悩んで、本格稼働には乗り出せていませんが。
いつかお目見えできるといいですね。

…とはいえそこそこランニングコストもかかるため、おひとりさまみすきーは手放してもいいか…とも。

ちなみに私の場合、サーバー1つ作るのに諸々合わせてだいたい1000円/月ちょっとです。
色々工夫して削りましたけど。
(サーバー+ドメイン+ストレージ)
ご参考に。

12月

そんなこんなで今に至ります。

おそらくアドベントカレンダー内では相当なFediverse新参者だとは思いますが、
本業ITエンジニア(SRE的なサムシングやってます)的にはFediverseの技術は気にしています。

ActivityPubとはまた違う仕組みだけれど目的は似てる、というBlueskyのことも気にしていますが。

技術的には面白いものの、じゃあこれが世界を統一するぐらい浸透するかと言われると…
現時点では、ちょっとそうは思えません。

本来この記事で「自分から見たFediverseの景色と、今後の展開」についても書きたかったのですが、
長くなりそうだったので分割することにしました。

この記事はここでおしまいです。

Fediverseアドベントカレンダーは明日以降も続くのでお楽しみに!
私はまた来週、Fediverseアドベントカレンダー 第4会場の11日目でお会いしましょう。

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